疲れやすい。
人混みが苦手。
大人数が苦手。
周りの行動が気になる。
1人の時間が欲しい…
読めば読むほど「やっぱり私は内向型よね…」と感じたこの本。
「内向型を強みにする」
この本によると、そもそも「内向型」と「外向型」の脳では、神経伝達物質の通り方が違う=エネルギーの作り方が違うそうな。
だから、性格も違うというか、行動の仕組みが違う…ですと?!
そういうことは、もっと早く教えて〜!!!
もしかしたら、今、生きづらさを感じているのは、あなたも内向型だからかもしれませんよ?
自分の強みや弱みを見直したい、今の職場で働きづらい、人間関係に悩んでいる、そんなあなたにぜひオススメしたい本はこちらです。
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世の中の多数を占める「外向型」と、馴染めない「内向型」
世界の七五パーセントは外向型でできている
わたしたちの文化においては、外向的な特質が尊ばれ、報いられる。アメリカは自らの考えを声にする市民を重視し、粗削りな個人主義のもとに成り立った。わたしたちは行動、スピード、競争、活力を重んじている。 内向的であることに、人々が引け目を感じるのも無理はない。わたしたちは、内省とか孤独といったものに否定的な文化のなかで生きているのだ
冒頭から衝撃的な、けれどもどこか「そうだろうな」と思わせる内容が飛び込んできます。
本書の内容をざっくりご紹介すると、
- 「内向型」は世界人口に大して少数派
- 世界は「外向型」を中心に出来ているので「内向型」は生きづらくて当然
- 優劣ではなく、脳の使い方が生まれながらに違うだけ
- 「内向型」は内省することでエネルギーを生み出すが、「外向型」は、社交的活動によって、外からエネルギーを吸収する仕組み
- 「外向型」特化社会で、少数派の「内向型」が生きやすくなる方法とは?
- 「外向型」×「内向型」の、パートナー、子供の組み合わせの対応方法とは?
といった事が、医学的根拠を交えながら書かれています。
日本でも「外向型」が優れていると言わんばかりの評価システムがあるのは事実で、また、就活やら人間関係でも、社交的であるだけで、妙に人間的評価が高く見られたりするから理不尽だなと感じていました。
けれども、そもそも「外向型」脳を持つ人間が割合的に多く目立つために、「外向型」による「外向型」社会が出来てしまっているのは仕方ないっちゃ仕方ない。
バリアフリーとかいいながら、左利きの人より右利きの人に向けた商品や設備が多いことを見てもあきらかです。
あなたは「内向型」?簡単テストで傾向を知る
本書では、簡易テストと詳細なテストの2パターンが用意されています。
どちらの要素も持つ中間派の脳をお持ちの人もいるようで、私も詳細テストをしてみると、中間派でした。
この記事を御覧頂いている方は、おそらく「内向型」気質が強いかと思いますので、てっとり速い簡易テストをご紹介いたします。
〔あなたに近いのはどっち?――小テスト〕
つぎのふたつのリストの各項を見てみよう。自分に近い、と感じるのは、A、Bどちらの性格だろうか?
自分がどうなりたいかではなく、ありのままの自分について答えよう。第一印象に従うこと。(A)
●物事の中心にいるのが好きだ。
●多様性を好み、単調だと飽きてしまう。
●大勢知り合いがいて、その人たちを友達だと思っている。
●相手が知らない人でも、おしゃべりするのは楽しい。
●活動のあとは高揚し、もっと何かしたいと思う。
●前もって考えなくても、話したり行動したりできる。
●たいてい元気いっぱいだ。
●聞き手になるより話し手になることが多い。(B)
●自分ひとりか、二、三人の親しい友達とくつろぐほうが好ましい。
●深くつきあっている人だけを友達だと思っている。
●たとえ楽しいことでも、外で何かしたあとは、休息をとる必要がある。
●聞き役になることが多いが、自分にとって重要なテーマについてはたくさん話す。
●無口で冷静に見え、観察するのが好きである。
●話したり行動したりする前に、考えることが多い。
●人前で、または、プレッシャーがかかったときに、頭が空っぽになったことがある。
●せかされるのは好きでない。
「内向型」と「外向型」の違いと特徴を知って、人間関係を面倒くさく感じてしまう感覚に納得
本書では、双方の気質の違いについて、たくさん書かれていますので、自分が共感できる部分がぽつりぽつりと出てきます。
内向型の人のもっとも顕著な特徴は、そのエネルギー源である。
内向型の人は、アイデア、感情、印象といった自身のなかの世界からエネルギーを得ている。
彼らは、エネルギーの保有者だ。
外の世界からの刺激に弱く、すぐに「もう手一杯」という気持ちになる。これは、イライラ、あるいは、麻痺に似た感覚かもしれない。
では、外向型の人のもっとも目立った特徴はなんだろう?
それは、外の世界、つまり、さまざまな活動や人や場所や物からエネルギーを得ている点だ。
彼らはエネルギーの消費者なのである。
長時間、のらくらしたり、自己反省したり、ひとりで、もしくは、ひとりの人を相手に過ごしたりすると、彼らは刺激不足におちいる。
自分の世界に入りがちな「内向型」の人は、自給自足でエネルギーを生み出すことが出来るのに対し、「外向型」の人は、その逆で常に自分以外の物事からエネルギーを得ないといけないので、非常に活動的で社交的なようです。
- 「内向型」のエネルギー自分の中から作る(思考、感情、アイデア、ひらめきなど内部からの刺激)
※自分で作れるエネルギーには限りがあるため、省エネな行動となる
(単独行動、ひかえめ、目立たない) - 「外向型」のエネルギー
自分の外から吸収する(他人との交流、スポーツ、アウトドアなどからの刺激)
※世界をまわしている・維持している大多数の人々の特徴
動けば動くほどリフレッシュとエネルギーチャージが出来る「外向型」に対し、自力でエネルギーを作り、省エネ活動をしないと力尽きる「内向型」。
昔から集団行動がしんどいのは、周りが元気であればあるほど、自分のエネルギー消費が激しいからだったのか…。
- クラスで一致団結して取り組む行事(運動会、演劇、合唱コンクールなど)
- 集団行動(2〜3人がちょうどよい)
- 大勢での飲み会
- 各種イベント(ライブ、セール、大人数の合コンなど)
特に、体育会系の会社や上司だと疲れてしまうのは、このためですね。
頑張って数字を皆で追うとか、広く浅くいろんな人に囲まれて名刺交換しながら交流を広げようとか意味がわかりません(笑)!
接客業もしたことがありましたが、当時の体育会系なノリの上司にはついていけず、3ヶ月で退職したのは間違いではなかったようです。
振り返ってみれば、長く続いた仕事は、マイペースで働けて、適度に人との距離がとれる業務(派遣事務)であったのは、この気質が強かったからかもしれません。
>>>現役アラサー派遣OLが教える派遣事務で働くメリット・デメリット
決定的な違いは脳の「神経伝達物質の種類」と「通り道」の違いにある
子供の時を思い出してもらえばその違いは顕著かと思います。
常に集団で駆け回っているタイプだったのか、部屋の隅で絵を書いたり本を読んでいたのか?
私は完全に後者で、むしろ全員でドッジボールをして1人だけ残ってしまった日には、もう泣きたい気持ちでいっぱいでした。
さて、人間の脳内では色々な神経伝達物質が目まぐるしい電気信号を送り合っていて、いろんな動作が出来ているわけですが、「内向型」「外向型」の性質を生むのは、この神経伝達物質の通り方が違うのだということを、デブラ・ジョンソン博士という人が、陽電子放射断層撮影法(PET)を用いて実験したと本書では紹介しています。
この実験では、血液中に少量の放射性物質を投入し、脳の血流について調べたそうで、この結果によれば、「内向型」脳の人は「外向型」脳に比べて血流量が多く、より多くの内的刺激を受けていることを証明したそうです。
そしてその血液が通る経路も「外向型」脳に比べて長く複雑なルートを辿っており、通過した部位が司るのは、「記憶する」、「問題を解決する」、「計画を立てる」、といった人の思考や感情に関する部位であったと証明されました。
刺激に弱い「内向型」と、刺激に強い「外向型」
辿る脳の経路が違うだけでも、同じ人間なのに不思議ですが、この経路が違うと必要となる「神経伝達物質」も違うと本書では教えてくれています。
ドーパミン、という言葉をご存知でしょうか?
ドーパミンは、運動や注意力、覚醒、学習といった機能に必要な神経伝達物質なのですが、このドーパミンに対する感受性が強いのが「外向型」で、弱いのが「内向型」であり、それぞれに必要する量が違うため、それぞれにドーパミンを補うために違う交感神経系を使っていることが紹介されています。
「内向型」
アセチルコリン、エネルギー保存、副交感神経と結びついている
(エネルギーを節約するシステム)
「外向型」
ドーパミン/アドレナリン、エネルギー消費、交感神経系
(エネルギーを増量するシステム)
常に自分自身の中でエネルギーを生産し、また対外的なことに過敏ですぐにエネルギー消費をしてしまう「内向型」は、できるだけ刺激から自分を守ろうとしています。
疲れやすいのも、エネルギーが消費されてしまい、休憩を求めているからだったり、ちょっと反応が鈍い(表情が固く、社交的ではない)のも、自分の身を守りつつ、状況を整理する脳内処理がパンク寸前だからとか。
対する「外向型」人間は、深く自分の中で考えることはなく、反射的に動き周り外部と接触すことで刺激を受けてエネルギーを生産しているので、とにかくアクティブだし、よく喋るし、友達も多い。
年齢を重ねるごとに、こういった特性を補う経験やテクニックで、双方ともにバランスの取れた生活がとれるようになるらしいのですが、色々な脳による違いは、もう小学校の理科あたりからやってくれると助かるんじゃないかと思いました。
まとめ)脳の仕組みが違うことは悪いことじゃない!けれど、「外向型」脳が多い社会で生きるために、少数派な「内向型」は工夫が必要
タイトルにもあるように、「内向型を強みにする」ということで、本書では「外向型」と「内向型」の違いと、少数であるがゆえに生きづらく勘違いされやすいが、素晴らしい才能を持っている「内向型」について述べられています。
偉人達を見ても、確かにすごい人ばかりですから、自分にも何らかのすごい能力があるのかしら?と勘違いしたくなるかもしれませんが、きっと「内向型」脳をお持ちの方なら、いやいやそんな大層なものではないので、そっとしておいてください…と後ずさりしてしまう気がします。
多くの医学的実験結果に基づく脳機能の紹介と、多くの人々のパターンの紹介は、「あ、これわかる!」というものばかりで、小難しく感じる部分よりも楽しく納得しながら読み進められるので、人付き合いや自分の将来に悩む人にオススメです。
かくいう私も、頑張れば接客業やサービス業は出来るけど、できればやりたくない。
何が向いているかしら?
という気持ちから、読んでみたのですが、これは本当に自分の気質を理解する上で納得できる書籍でした。
また、同じ「内向型」でも、「右脳」派と「左脳」派でタイプが違うことも紹介されており、納得です。
あまりにも素晴らしい情報が詰まりすぎているので、寝る前に読むには不向きかと思いますが、ぜひ同じ「内向型」気質の方には読んでいただいて語り合いたい書籍でした。
血液型や心理テストよりも、こうやって医学的に説明してくれる本が増えると、少数派の人間も生きやすいなぁと思うのですが、これを書くにはどれだけの時間がかかったのか…考えるだけでも一苦労だということは間違いないでしょう。
自分の将来や、在り方について疑問や生きづらさを感じている人は、少し読んでみてはいかがでしょうか?
以上で、自己啓発にぴったりな書籍、「内向型を強みする」のレビューをお送りいたしました☆
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